高齢者虐待を防止するために
高齢者虐待の「サイン」は出ていませんか?
虐待を受けている高齢者や養護者の言動や状態が、高齢者虐待の「サイン」となっている場合があります。
以下の例示にあてはまるものがあれば、市町や地域包括支援センターに相談してみましょう。
該当する項目が多ければ、虐待の「疑い」の度合いはより濃くなります。
(ご相談いただいた方の個人情報が、周囲に漏れることはありません。)
高齢者からのサイン※「高齢者虐待対応マニュアル」(東京都)を参考に改定
身体に小さなキズが頻繁にみられる。 |
急におびえたり、恐ろしがったりする。 |
「怖いから家にいたくない」等の訴えがある。 |
キズやあざの説明のつじつまが合わない。 |
居住部屋、住居が極めて非衛生的になっている、また異臭を放っている。 |
寝具や衣服が汚れたままの場合が多くなる。 |
不規則な睡眠(悪夢、眠ることへの恐怖、過度の睡眠等)を訴える。 |
おびえる、わめく、泣く、叫ぶなどの症状がみられる。 |
無力感、あきらめ、投げやりな様子になる。 |
肛門や性器の痛み、かゆみを訴える。 |
主治医や保健、福祉の担当者に話すことや援助をうけることをためらう。 |
収入や財産があるのに、お金がないと訴える。 |
経済的に困っていないのに、利用負担のあるサービスを利用したがらない。 |
お金があるのにサービスの利用料や生活費の支払ができない。 |
養護者(介護者)の態度にみられるサイン
高齢者の世話や介護に対する拒否的な発言がしばしばみられる。 |
他人の助言を聞き入れず、不適切な介護方法へのこだわりがみられる。 |
高齢者の健康や疾患に関心がなく、医師への受診や入院の勧めを拒否する。 |
高齢者に対して過度に乱暴な口のきき方をする。 |
経済的に余裕があるように見えるのに、高齢者に対してお金をかけようとしない。 |
地域からのサイン
自宅から高齢者や介護者・家族の怒鳴り声や悲鳴・うめき声、物が投げられる音がする。 |
郵便受けや玄関先等が、1週間前の手紙や新聞で一杯になっていたり、電気メーターがまわっていない。 |
家族と同居している高齢者が、コンビニやスーパー等で、一人分のお弁当を頻繁に買っている。 |
「高齢者虐待」とは、どのようなことを言いますか?
高齢者虐待とは、65歳以上の「高齢者」に対する「養護者」(高齢者の方を現に養護(お世話)している人)または「養介護施設従事者等」(介護保険サービス事業者や施設の職員等)による次の5つの類型の行為を言います。
厚生労働省の全国調査では、高齢者虐待の件数は増加傾向で推移しています。
身体的虐待 |
心理的虐待 |
介護・世話の放棄・放任(ネグレクト) |
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性的虐待 |
経済的虐待 |
虐待をしている養護者本人には、虐待をしている認識がない場合も多く、
また、虐待をうけている高齢者自身も、養護者をかばう 周囲に知られたくない
などの理由で虐待の事実を訴えにくく、家庭内の高齢者虐待は発見しにくい
状況にあります。
虐待を早期に発見し問題の深刻化を防ぐため、
近隣住民の方々 民生委員や自治会などの地域組織 介護保険サービス事業者
などの高齢者を取り巻く様々な関係者が、高齢者虐待に対する認識を深め、
虐待の兆候(サイン)に気づき、早期の対応に結び付けることが大切です。
高齢者虐待防止法では、虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は、
速やかに市町村に「通報」するよう努めなければならないとされています。
また、高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は、
速やかに市町村に「通報」しなければならないとされています。
(市町村は、「通報」した方を特定させるものを漏らしてはならないこととされています。)
虐待の事実確認の必要はありません。虐待の疑いの段階で通報してください。
通報者の秘密は守られますので安心してください。
必要に応じて、あざなどの証拠写真を撮っておいてください。
(本人の同意を取って撮影してください。目的以外で写真を使用しないでください。)
高齢者虐待は、どうして起こるのでしょうか?
高齢者虐待は、様々な要因が複雑に絡み合って起こると言われます。
そのため、対応するためには虐待が起こった真の原因や背景を考えることが必要となります。
相談を受けた市町が、対応します
虐待の通報を受けた市町は、虐待事実や緊急性の有無を調査し、状況に応じた対応をします。