高齢者の消費者トラブル
高齢者をねらった悪質商法が次々と発生しています。住みなれた町で、高齢者が安全・安心な消費生活を送るためには、高齢者の身近にいる家族、そして地域のみなさんの見守りが大切です。
見守り活動は、決して難しいことではありません。日々の生活のなかで、身近な高齢者をそれとなく見守り、声をかけ、いざというときは消費生活センターなどの相談窓口につなぐ──高齢者が地域で安心して暮らすために、今、みなさんの力が求められています。
高齢者を消費者トラブルから守る!
こんな変化に注意して見守りましょう
高齢者自身や身の回りに次のような変化が見られたら、消費者トラブルに巻き込まれているおそれがあります。
- 宅配便や郵便物がひんぱんに届くようになった
- 見知らぬ訪問者が次々にやってきている
- 不自然な工事を繰り返ししているようだ
- 急に節約を始めた/急に羽振りがよくなった
- いつもより表情が暗く、考え込んでいる様子がある
- 業態のよくわからない店や会場にひんぱんに出入りしている
- 小口・大口の借金を申し出るなど、お金に困っている様子がみられる
なぜ、今、高齢者の消費生活の見守りが必要になっているの?
悪質業者は高齢者をねらっています!
多くの高齢者が「お金」「健康」「孤独」という3つの不安を抱えており、そこに悪質業者がつけこんできます。またインターネットを使わない高齢者も多く、情報量が少ないため、誤った判断をしてしまいがちになります。
高齢者本人が消費者トラブルに気づかないことも・・・
高齢者の消費者トラブルは、当事者である高齢者本人がトラブルにあっていることに気づかないケースがあります。また気づいたとしても、「人に知られるのが恥ずかしい」「家族に怒られそう」などと考え、誰にも相談しないケースも少なくありません。
高齢者に多い消費者トラブル例
悪質な訪問販売
昼間、家にいる高齢者をねらって家にあがり、高額商品を販売します。一度購入してしまうと、同じグループが次々に商品を売りつける「次々販売」の被害にあうケースもあります。
点検商法
「無料で耐震診断をします」「水質調査をします」などを理由に家に上がり、「このままでは危ない。すぐに工事が必要です」などと脅して工事契約などを結ばせます。
利殖商法
高齢者の老後の資金への不安につけこみ、「絶対にもうかる」「元本保証で高配当」などと良いことばかりを強調し、金融商品などの購入を勧誘します。
催眠商法
日用品の無料配布や健康器具の無料体験などで高齢者を集め、たくみな話術で会場を盛り上げ、次第に高価な商品を購入させる手口です。
最近の消費者被害情報
身に覚えのない電話番号には電話せず、 |
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【過去年度の被害情報はこちら】 |
介護施設運営会社を名乗る人から「あなたは老人ホームに入居できる権利を持っている。権利が不要なら他の人に譲ってほしい。名義を貸してほしい。」と連絡があり、名義を貸すくらいならと返事をすると、後日弁護士や不動産会社を名乗る人から「名義貸しは罪に問われる、違反金を支払わないと逮捕される。」「警察に相談すると大変なことになる。」などと言われた。
- さまざまな人物が登場し、お金を支払わせようとしてくる「劇場型詐欺」と呼ばれるものです。「老人ホーム入居権」を譲ってほしいという詐欺電話には気をつけましょう。
- 留守番電話機能や発信者番号通知を活用して、心当たりのない電話には出ないようにしましょう。
- 電話をとっても、絶対にお金は払わず、警察や消費生活センターなどに相談しましょう。
インターネット通販で商品を購入したが、届いた商品は偽物だった。販売元とも連絡が取れない。代引き配達だったため、宅配業者からの返金も難しい。
オンラインショッピングにてクレジットカードで商品を購入したが、いっこうに商品が届かない。その後、そのクレジットカードの不正利用が発覚した。
- 偽の通販サイト・オンラインショッピングサイトを立ち上げて、偽物を届けてお金だけを支払わせたり、クレジットカード情報を盗み取ったりする詐欺です。
- インターネット通販で購入した商品が模倣品だった場合、個人使用目的であっても税関による没収の対象となり、手元に届かない場合もあります。
- 偽サイトの例としては、「販売価格が大幅に値引きされている」「日本語の字体・文章表現がおかしい」「販売業者の情報が明記されていない、もしくは架空のものである」「代引き配達のみ・銀行振込のみ等指定がある」などがあげられます。少しでも怪しいと思ったら購入しないよう気をつけましょう。
・おいしい話は信じないこと!
・確実にもうかるという言葉は信じないこと!
・勧誘にすぐ応じないこと!
・取引の内容が理解できなければ契約しないこと!
・怪しいと感じたらビシッとはっきり断ること!
高齢者の消費者トラブルを防ぐために、私たちにできることは?
普段から悪質な業者を近づかせない取り組みを!
悪質な業者を近寄らせないために、また高齢者自身が悪質かどうかを見極められるように、ぜひ高齢者と一緒に取り組んでみてください。
積極的にコミュニケーションをとる
身近な高齢者とコミュニケーションをとることで、変化の様子に気づきやすくなります。また高齢者の身近に人がいることで、悪質業者が近づきにくくなります。
しつこい業者対策
断っても何度も訪問する業者には、複数で対応しましょう。近くに親しい人がいるということを見せることが大切です。
悪質な電話勧誘対策
電話番号非通知の電話は受信を拒否する設定に。また常に留守番電話設定にしておき、必要なときは後で折り返しかける習慣をつくるのも効果的です。あまりにしつこい場合は、変わって電話に応対しましょう。
知識の普及
悪質商法に関する情報を積極的に高齢者に伝えましょう。回覧板にチラシをはさんだり、地域の高齢者を対象にした消費生活講座などを開催するとよいでしょう。
高齢者の変化に気づいたらどうする?
消費者トラブルに巻き込まれていた場合、少しでも早く専門の相談員につなぐことが大切です。難しく考えず、まずは高齢者に声をかけ、専門家への橋渡しをしてあげましょう。
この契約が大丈夫かどうか心配だ
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消費生活に関することは、遠慮なくご相談ください
新居浜市役所消費生活センター 0897-65-1206
消費者ホットライン 188
※お住まいの近くにある消費生活センターなどの相談窓口につながります。